木曜日のドラマ 『特命係長・只野仁』 『ありふれた奇跡』 『リセット』

特命係長・只野仁』第8話 最終回



総務2課では、佐川(田山涼成)や一恵(蛯原友里)たちから只野は、
社内対抗カラオケ大会があることを聞く。
その大会の優勝賞金は、なんと、10万円だった。
佐川は只野に勿論、参加するだろ!と誘う。
すると、一恵は、出ましょうよ。只野さんとならデュエットしてもいいかなぁって…。
それがきっかけで人生も一緒にデュエットしちゃったりして…と夢見る夢子ちゃん。
1人で突っ走ってしまったことに気づいた一恵は照れてダッシュで消えていった。


黒川会長(梅宮辰夫)に呼び出された只野(高橋克典)は、有栖川譲二(鈴木一真)の話を聞く。
Jポップの歌姫として絶大な人気を誇る歌手・天海カヲル(金子さやか)のプロデュースを
している音楽プロデューサー・有栖川譲二は、かつては「世界の有栖川」とまで呼ばれた。
しかし、有栖川はここ数週間で、極度のスランプに陥り、曲が全く書けなくなってしまった。
電王堂は有栖川に近々開催される環境博覧会のテーマソングの作曲と音楽プロデュースを
依頼している。しかも、協賛スポンサーは有栖川の名前で多数の人が集まっている。
有栖川のスランプが長引くと博覧会が中止になるかもしれない。
黒川は只野に有栖川のスランプの原因を探り、しかるべく対処するように特命する。
早速、只野は有栖川に接触し、事情を探る。
只野が有栖川の自宅に仕込んだ盗聴器から有栖川の会話を聞き取った森脇(永井大)は、
有栖川が何者かに脅されていることが判明する。有栖川は金の受け渡し時間とその場所
を聞いた森脇は…。


金の受け渡し場所で待っていた有栖川の前に謎の男(ケイン・コスギ)が現れると、
有栖川から金を渡せば本当に約束を守ってくれるんだろうな!と言われた謎の男は
有栖川を殴りかかろうとするが、その手を止めたのは只野だった。
只野に何が目的でこの人を脅す…と問いただされた謎の男は、
お前には関係ないことだ!といい、只野に手を出してきた。
謎の男は、只野とも互角に渡り合うほどの腕前だが、そこへなぜかチンピラたちが現れ、
謎の男を襲う。只野は、チンピラの存在に戸惑いながら謎の男を庇い、チンピラたちに
一撃をくらわす。その後、只野が辺りを見渡すが、謎の男の姿は消えていた。
そんな中、謎の男が落としていったお守りを見つけた只野は、お守りの中から
ある女性と謎の男が写っている写真を発見する。
只野は、有栖川にあの男に脅された原因を尋ねる。
有栖川の説明によれば2週間前、彼の家に泥棒が侵入し、1本のビデオテープを盗まれたという。
しかし、そのビデオテープの中身はどうしても言えないという有栖川は、
人手に渡ったら自分が破滅する!只野にそのテープを取り戻してほしいと土下座して頼むのだった。
只野は、ビデオテープを盗んだのがあの男だとすれば、チンピラたちは何故あの男を襲ったのか…
と只野は疑問を深める。


その後、只野は真由子(三浦理恵子)と会う。
マスコミによる有栖川の情報は見つからなかったという真由子だが、
あの男が落としていった写真の女性を知っていた。
その女性は、真由子の局(ジャパンテレビ)で主催した新人発掘オーディションで優勝していて
その審査員の中には有栖川もいたというのだ。
早速、只野は森脇にその女性の情報収集をしてもらう。


翌日、森脇の調査によってその女性の身元が判明した。
名前は藤堂美咲(阪井あゆみ)。高校卒業後、ストリートミュージシャンをしていたが、
3年前ジャパンテレビのオーディションに合格して、有栖川のプロデュースでデビューが
決定していた。有栖川ファミリーの一員だったが、デビューする直前に、リストカット
で自殺していた。
そして、あの男は美咲の兄の藤堂俊介。大学時代、空手の選手権で優勝した持ち主で、
事件当時は事務機器の会社に勤めていたが、美咲の死後、消息不明となっていた。


只野は、美咲がデビュー直前で謎の自殺をしたことを有栖川に問いただすが、有栖川は
何も知らない!と怒鳴り散らす。
カヲルによれば、美咲は有栖川にデビューを約束されていたが直前になってそれをキャンセルされ、
ショックを受けた美咲は遺書を残して自殺をはかったのだという。
生前、美咲が歌っていたストリートの一角に、花を供える俊介。そこに只野は現れる。
只野は俊介が落としていったお守りを渡し、美咲のことを聞く。
美咲を自殺に追い込んだのは有栖川と言い切る俊介がそれは、ビデオテープだ!と告げた瞬間、
そこに再びチンピラたちが現れ、そのビデオテープを奪おうと俊介を襲う。
只野は俊介から託されたビデオテープを黒川と検証する。
それは美咲がカヲルのヒット曲を歌う姿が収められていたプロモーションビデオだった。
しかし、有栖川がこのビデオを使って美咲を騙したとしたら、
なぜわざわざ手元に残す必要があったのか?チンピラたちが何故俊介を狙うのか?
ビデオテープを意味するのは女性スキャンダルだけなのか?
黒川は只野に、それを早急に探るように命じる。


只野はマヤ(はるな愛)のバーで偶然、カヲルのプロモーションビデオを見て何かに気づく。
そんな只野は、コンサートでリハーサル中のカヲルを訪ねる。
すると、突然只野は、何であんた彼女を殺した!とカヲルに問いただす。
只野は美咲とカヲルのビデオの背景にあるビルの高さの違いを指摘。
美咲のプロモーションビデオはビルが建設途中だったが、カヲルの物にはビルが完成していた。
つまり美咲が先にビデオ撮影されていた…。
よってこの曲はもともと美咲のために作られたものだったのだ。
カヲルは3年前、曲を美咲に取られた嫉妬から美咲を自殺に見せかけて殺したことを告白する。
美咲の遺書はカヲルの自作自演による物で俊介を襲ったチンピラたちもカヲルの差し金だった
ことをいう。そんなカヲルがサインをだすと、そこにチンピラたちが現れた。
襲いかかるチンピラたちを只野はなぎ倒し、スターの座に目がくらんで人を殺めるとは、
幼稚園からやり直した方がいいんじゃねえのか。大物気取りのスターさんよ…。
カヲルは、あなたもあの子と同じように殺してあげるわ!と只野を襲いかかろうとするが、
あらかじめ呼び出されていたマスコミたちにアッという間に取り囲まれる。
こうして事件は無事、解決した。


その後、会長室にはトロフィーが飾られてあった。
社内対抗カラオケ大会の優勝者は黒川だったのだ。


街角で一人佇みタバコを吸う只野だが、足元の歩道に禁煙のマークがあることに気づく。
只野は、そんな時代か…とつぶやくと、森脇の運転する軽トラックに乗り込み、
また何処かへと向かうのであった…。





第8話、最終回でしたが、格闘センスがない森脇がほうれん草を食べたらポパイみたく
まともに闘ったシーンがとても印象的な場面で最高に面白かった。
特命係長只野仁のシーズン4が終わっちゃいましたが、最後まで、
犯人の予想が当たらなかった…。
しかし、只野の昼の顔と夜の顔のギャップがたまらなく面白かったなぁ…。