水曜日のドラマ 『キイナ・不可能犯罪捜査官』

『キイナ・不可能犯罪捜査官』第8話


捜査一課で、桜(小池栄子)は小説を読んで感動して泣いていた。
キイナ(菅野美穂)やタケル(平岡祐太)から何かあったの?と問われた桜は小説を渡す。
その小説は、『天国から舞い降りた手紙』だった。
桜は、死んだ少女の霊が天国から家族を悲しませないために思いを伝えるという内容の小説を
半分読んだだけで泣いていたのだ。
その小説を読み始めたキイナは、あっという間に速読し、小説を全部読み終えてしまった。
桜は、キイナからラストはもっと泣いちゃう、かも…といわれ、
ラスト言わないで!と怒っていた。
キイナは、桜たちに霊からのメッセージが実際にあるといい、過去の実例を挙げ霊で事件が
解決したと説明した。
そんな時、雅(沢村一樹)は、津田(金田明夫)に青梅で白骨死体が発見されたんで確認して
きますと告げて、1人で現場に向かった。
タケルから僕たちも行かなくていいんですか?と問われた津田は、いいんだと返事をするが
困っていた。
すると、御手洗(草刈正雄)はキイナたちに雅が死体なき殺人事件をずっと追い続けていること
を明かした。15年前、当時22歳の女性・宮内真理子(松岡璃奈子)の失踪事件を雅が担当
していた。
当時の現場の状況や血痕の量から見て、真理子が殺されたのは間違いなかった。
しかし、真理子の死体は見つからず、未だに犯人も特定されていない。
雅は事件発生以来、15年間ずっとこの事件を1人で追っていたため、変死体が発見されると
必ず身元を確認しに行っていたという。
そんな雅の心の時計は15年前に止まったままだった。
一方、雅は白骨化の遺体を発見したと連絡をくれた刑事(茂木和範)と北稜大学に訪れていた。
白骨化した遺体を調べた監察医(沼津悠)は、性別は女性、死後15年経っていて
60歳は超えているという。
その遺体は、真理子ではなかったのだ。


そんなある日、雅が、トンネルで女性の幽霊を見たという話で、キイナたち捜査一課は
盛り上がっていた。しかも、その女性が15年前に雅が担当した失踪事件の
被害者の宮内真理子だという。
キイナは雅に何かのメッセージ…かも?霊が雅に伝えたがってている…とか?と曖昧。
その後、沢山の資料を収集して調べたキイナは、雅が霊を見た宇津木トンネルは有名な
心霊スポットだったことが判明した。


翌朝、うなされて目覚めた雅の目の前には宮内真理子の姿…。
驚く雅がその姿を再度見直すと、もうすでに消えていた。
その直後、津田から15年前の事件現場でもある西多摩山中で女性の変死体が発見された
との連絡を受けた雅は、その現場に向かい、キイナやタケルたちと合流する。
早速、捜査を開始したキイナたちは、遺体発見現場が有名な心霊スポットで、
15年前から幽霊が出るとの噂が流れ始め、学生たちが夜中に肝試しをしていた際に
発見されたと聞く。
そんな中、キイナたちは、検視官から免許証から遺体の身元がわかったと報告された。
その遺体はなんと宮内真理子だったのだ。
真理子の遺体は事件から15年も経過したにもかかわらず、美しく、
まるで生きているような姿だった。


捜査一課に戻ったキイナたちに、雅は、15年前の真理子の事件のことを話し始めた。
事件の当日、真理子は人に会うと言ったまま家に戻らなかった。
翌朝、真理子の母・頼子(山口美也子)から捜索の依頼を受け、周辺を調べたところ、
付近の神社から、真理子の血痕が発見された。出血量から殺人事件として捜査したが
手がかりが掴めなかったという。
検視の結果から真理子の死因が外因性の後頭部打撲による脳損傷の可能性が高いことが
判明し、犯人と揉み合った際に後頭部を打って死亡したのではないかという。
服部(東根作寿英)たちが、真理子は神社で殺害され、山中に運ばれたが、
15年前の真理子の遺体が何故、綺麗だったのか?と疑問を抱く。
すると、キイナはそれを屍蝋化現象だといい、理由を説明する。
死体が水分の多い土の中などで空気遮断された場所に長期間置かれると、
脂肪分が蝋燭のように変化して腐敗がとまり、次第にそれが固くなると、
石膏のようになるというのだ。
真理子の遺体現場はその現象に当てはまっていたため、
死体なき殺人事件の死体の理由は解決するが、事件はまだ解決出来ていない。
遺体が発見された場所が何故、有名な心霊スポットなのか?と謎めくキイナだが、
真理子の事件の時効成立まで残り10日と迫っていた。
捜査一課の雅たちはベッパンのキイナたちと総力をあげて捜査に取り組む。
早速、キイナとタケルは真理子の母・頼子(山口美也子)の自宅を訪ね、
頼子から雅と真理子の関係が幼なじみということを聞く。
その後、事件現場に行ったキイナとタケルに、現場近くに住む住民(ト字たかお)は、
幽霊は一度も見たことがないとの証言する。


捜査一課に戻ったキイナは、捜査一課の人たちに心霊スポットの謎を科学的に解明する。
事故現場では、実際に多くの幽霊の目撃情報があったが、
あの山の地下には大きな断層が走っていて、磁気の乱れが生じていた。
磁気の乱れは、時計や電子機器だけではなく、人間の側頭葉にも影響していて、
神経細胞を刺激をさせて、幻覚を見やすくさせていた。
つまり、ここが幽霊の出る場所と思わせて行くと、磁気の乱れが脳に与えて、
幽霊に似た幻覚を見てしまうこともあるのだという。
ちなみに、墓地で幽霊を見るという噂は墓石のほとんどが磁気を大量に含んだ
花崗岩という物で出来ているからだった。
そして、15年前まで西多摩山中は幽霊スポットと噂されていなかったのに、
事件が起きてから噂になったことから犯人が真理子の遺体を発見させるのを恐れて
他の人を近づかせないために結界を張り、その声で環視をひき噂となって広まった
と話した。
犯人は未だ特定できなかったキイナだが、ただひとつわかったことがあるという。
それは、現場の山の所有者は代議士でもある桑島泰蔵(宍戸錠)だということだった。
すると、雅は、泰蔵の息子の常男(袴田吉彦)は、当時真理子の恋人で、
容疑者として、名前があがっていたというのだった。
そんな矢先、真理子の遺体の司法解剖の分析結果の連絡が入る。
捜査一課の人たちは、真理子の爪から犯人のものと思われる皮膚の一部が検出されたこと
を聞く。犯人に襲われた真理子は、最後の力を振り絞り相手の身体を引っかいていたのだ。
この皮膚片のDNA鑑定をすれば、犯人と特定できると見て、常男に重要参考人として
任意同行を求めた。


翌日、取り調べ室で津田からDNAの照合をするため毛髪を1本をご提供して頂きたい
といわれた常男は、動揺して煙草を吸い始める。
そこに、泰蔵が現れ、津田や雅に息子は何の取り調べをしているんだ!
息子は恋人が殺された被害者だ!何で今更人殺しの疑いをかけられなければいならないんだ!
といい、常男を連れて帰った。
雅たちは、常男の毛髪が入手できなかったが、常男が残した吸殻の唾液からDNAを
採取して照合することにした。


しばらくすると、キイナたちは真一郎(塚地武雅)からDNA結果がでたと報告される。
常男の唾液から採取したDNAと犯人のものと思われる皮膚の一部のDNAを照合した
結果は合致しなかったという。
捜査は、振り出しに戻ってしまい、雅は苛立っていた。
そんな雅にキイナは、事件は、雅の責任ではない。なのになんで1人で背負っているのか?
すると、雅は俺が真美子を死なせてしまったからだよ!という。
事件当日の夜、真理子は雅に相談に乗ってもらいたくて電話をしたが、
留守電で伝言を入れていた。
雅は捜査に追われていて伝言を聞くのを遅れてしまっていた。
そしてその日、真理子は殺されてしまったのだ。
あの日、俺が早く真理子の伝言を聞き、真理子に連絡をしていたら…
あいつは死ななかったかもしれない…という雅は、
時効が迫っているのに犯人の手がかりがつかめてない自分に苛立っていた。
不器用なキイナだが自分なりにそんな雅を励ますのだった。


後日、捜査一課では、事件に進展がないか各自の捜査情報を報告していた。
そんな中、キイナは、事件現場付近で15年前の目撃者がいないか聞き込みを
した時に遺体が発見されてからここ数日間、深夜に男が1人でうろついている
のを目撃したという証言があったと報告する。
津田たちには、相手にしてもらえなかったが、キイナはそのことが気になっていた。
すると、雅は津田にちょっとでてきます!


雅が向かった先は事件現場だった。
雅が1人で手がかりがないか捜査していると、後からキイナや捜査一課の仲間が
そこにやってきた。
雅と合流した捜査一課は一丸となって事件の手がかりがないか捜査する。
そんな中、雅は腕時計を発見!!
キイナは、何処かで見たことがある…。と瞬間記憶能力で思い出す。
見つけた!
津田や服部たちから犯人の?常男のものだったのか?と問われたキイナは、
違います!
雅は、そっか。そういうことだったのか…。


その後、キイナと雅は泰蔵の講演会に訪れた。
講演会を終えた泰蔵は、こんなところまでなんのようだ!!とご立腹。
すると、雅は、15年前の宮内真理子の殺人事件の犯人を逮捕しに来た!と告げる。
泰蔵は、あなた方は、息子を犯人にしたくてしょうがないんだな…。証拠はあるのか?
実の息子を逮捕しようとしたら、この私が許さん!
雅は、泰蔵や常男に近づき、逮捕するのは、息子さんでは、ありませんよ。
桑島泰蔵さん、あなたです。
泰蔵は、何を言っているんだ。私が誰だかわかっているのか!
すると、雅は、遺体発見現場からこんな物が見つかったという。
泰蔵に見せたものは、腕時計だった。
雅からこれあなたのですよね?と問われた泰蔵は私は知らん!と連呼して、認めない。
そんな泰蔵に雅は15年前の写真を見せた。
その写真には、その腕時計をしている泰蔵の写真。
しかも、真理子の殺害事件の前日に撮った写真だった。
更に、事件の翌日の写真を見せると、そこには泰蔵が手の甲に包帯をしていた写真。
雅は泰蔵に真理子を殺害した時につけられた傷を隠すための物だったんですよね…。
すると、常男は不安そうに、父さん本当なのか?父さんが彼女を殺したのか?
そんな泰蔵は、何で私が…。殺す理由はないだろ!としらをきる。
そんな時、キイナは泰蔵に、あなたは、自分の思い通りにならないと気がすまない性格
だそうですね…と話し始める。
泰蔵は常男のの進路さえも全部、自分自身で決めていた。
常男と交際していた真理子を認めていなかった泰蔵は、2人を別れさせたかった。
事件当日の夜、泰蔵は真理子を神社に呼び出し、話して別れてもらおうとしたが、
真理子に断られ、頭にきた泰蔵は真理子と揉み合ううちに誤って死なせてしまった。
慌てた泰蔵は、真理子の遺体を自分の所有する山に運んで埋めた。
腕時計はその時に落としたという。
当時は、泰蔵は、遺体が見つかるはずがないと思っていたのに、15年後に遺体が発見され、
自分の証拠となる腕時計が気になり、探していた。
これが真実ですね…と話した。
雅は泰蔵に真理子の爪から検出した皮膚の一部のDNAとあなたのDNAを照合させて
頂けますね…というと、追い詰められた泰蔵は、力を落とし崩れるように椅子に座った。
そんな中、キイナは、泰蔵に15年、真理子の死に対して自分を責め続け、
辛い思いをしていた人がいる。誰かのことを思い続ける、その思いはずっと消えないと
思うと話した。


事件は無事解決し、雅の止まった心の時計も自分のために動かそうとしていた。
そんな雅はキイナにありがとうと感謝するのだった。




第8話でしたが、最後、捜査一課にドーナツを差し入れしたのは雅だったんですね。
雅はキイナに冷たく接していたが、ようやくキイナのおかげで15年前の事件も解決。
キイナのことを認めたのかなっ??