月曜日のドラマ 『ヴォイス 命なき者の声』

『ヴォイス 命なき者の声』第7話




ある日の朝、目覚ましがなるが哲平(遠藤雄弥)は目覚まし時計をとめて二度寝する。
哲平の部屋には、大己(瑛太)と亮介(生田斗真)が泊まりに来ていた。
大己は、目覚まし時計をとめてまた寝ることに納得いかず、朝からテンション高く
どうして?と連呼。亮介はそんな大己がウザくて、二度寝の気持ちよさなめんなよ!!と
激怒して一眠りする。しかし、大己は1回で目覚めた方が気持ちいい、恋愛だって同じ、
振られたらすぐ覚めた方がいいんだよ…と話す。そんな大己に亮介が呆れていると、
再び目覚まし時計が鳴るのだった。哲平が目覚まし時計をとめると、突然、大己は
1回とめてまた鳴る機能の名前が気になり、何だっけ?と哲平に問うが度忘れ
そんな2人が思いだそうとするが名前が出てこない。そこにいた亮介も名前が気に
なりだし、3人はその名前を思い出そうとしながら研究室に向かう。
そんな時、佳奈子(石原さとみ)に遭遇。大己がその名前を佳奈子に問うとスヌーズ機能!
とあっさり答え、やっと名前がわかった3人はあ〜あ〜と叫ぶ。
ふと亮介がスヌーズって英語でどういう意味だっけ?というと、
佳奈子から、居眠り!と教えてもらった3人は、あ〜あ〜と叫び続けるのだった。


その後、東凛大学の解剖室に、住宅地で倒れ死亡していたという野間口静代(赤座美代子)65歳
が運び込まれる。
大和田(山崎樹範)は玲子、佐川、ゼミ生たちに静代の所持品などの詳細を報告をする。
財布やハンカチが入った手さげバック、半額シールがついている牛肉の入ったビニール袋、
電気屋で購入した目覚まし時計…。
そして家族は靴屋を営んでいる夫の功(石橋蓮司)1人という。
その間、佐川(時任三郎)は左側腹部に暗赤色調の皮膚変色を発見。
そんな中、大己と羽井(佐藤智仁)は、玲子(矢田亜希子)から解剖の作業に参加するように言われる。
執刀する佐川文彦(時任三郎)は、大己たちゼミ生に注意する。
この場に慣れると、死に対して感覚が麻痺してしまう。
だから、遺体にはここに至るまで人生があったことを胸に思い浮かべてから解剖にあたるように…。
いざ、解剖する時は全神経を解剖に集中させるようにとのことだった。
解剖が始まろうとした時、解剖を中止しろと言う声がする。それは、功だった。
一度は解剖を承諾したが、妻は解剖を望んでいないし、生き返ることもないからと頼むのだった。
佐川が解剖の必要性を説いても納得せず、静代は無言の帰宅をすることになる。
雪子(片平なぎさ)と同じ症状の静代が原因を調べないことに納得いかない佳奈子は、
真実がわからないままでいいのか、と食い下がるが、功の気持ちを変えることはできなかった。
研究室に戻った大己、亮介、佳奈子、哲平、彰が解剖の必要性について意見交換する中、
佳奈子はやはりその必要性を感じると主張。
すると大己が、母親を亡くしている佳奈子にこそ伝えられることがあるだろうと言い、
5人は功の自宅を訪ねることにした。
功と対面した佳奈子は母親の話を始め、死因がわからないままでいることの辛さを訴えるが、
功は解剖を拒むのだった。


その後、ちゅらちゃんに行ったゼミ生たち。
亮介、哲平、羽井は、静代の遺族である功の心情を理解できると言うが、
佳奈子は納得いかなかった。
そんな中、鳳子(濱田マリ)は夫婦間の絆を話し、長年連れ添った相手の死をすぐには受け取れない、
解剖することが必要だとしても冷静な判断は難しいと話すのだった。


翌日、研究室に来た大和田は、ゼミ生たちや玲子にタイムセールに行った静代が半額になった
牛肉を購入しようとして転倒。買い物カゴに腹部に強打していたことが判明したと報告。
解剖はできなかったが原因は、内臓破裂で死亡したと推測するが、やはり納得できない佳奈子。
そんな佳奈子の気持ちを察した大己は佳奈子を連れて、静代の所持品を手がかりに調査をする。
静代が亡くなった日に行ったスーパーを訪れ、店員の(坂本真)に静代が事故で亡くなった日の
タイムセール中での出来事を問うが、2人は情報は得ることができず、再び功の自宅を訪れる。
すると、功は40年連れ添った静代に、最後に最高の靴を履かせようと靴を作っていた。
そんな功は、最近、静代が犬を飼い始めたことや自分の好物の肉豆腐を繰り返し作っていたこと、
そして静代がボケ始めて、食材や日用品が家にあるのに何度も同じ物を買うのが癖になっていて、
亡くなった日も必要もないのに目覚まし時計を買って来たことを寂しそうに2人に話す。
2人は、そんな功から静代がボケ防止にダンス教室に通っていたこと聞き、ダンス教室を訪れる。
そこで、2人はダンス講師の花山幸子(宍戸美和公)から物忘れが激しくなったという静代が、
他の人の迷惑になるからダンスをせず、見ているだけだったことや苦手なものがあったという
情報を得る。
その頃、亮介、哲平、羽井はちゅらちゃんで飲んでいた。
解剖に対する恐怖心が根強く玲子から法医学を辞めたほうがいい!とまで言われ落ち込む羽井を、
亮介と哲平が元気付けていた。


静代のお葬式の日。
大己は静代が目覚まし時計を買った電器店を訪れ、店長の(村松利史)に静代のことを問う。
すると、店長は静代が亡くなった日に静代が脂汗を浮かべて目覚まし時計を買いに来たことや、
その時、相撲のTVが放送していて結びの一番で朝青龍が出てきて、腹痛を堪えながらも朝青龍
ことをもち肌だよね…と静代が笑いながら話したという。
その後、研究室に行った大己。
そこでは哲平たちがタイムセールの話をして騒いでいた。
すると、大己はそばにあったタイムセールのチラシに着目。
集中力を高めさまざまな状況を考えるうち、あるひとつの結論に至る大己は、結びの一番…。
まだ間に合うかもしれない…といい、亮介たちゼミ生を連れて功の自宅にやってくる。
静代が横たわる布団の側に座る功に向かい、大己は静代が実は犬が苦手だったこと、
目覚まし時計を購入した電器店ですでに腹痛に耐えている様子があったことを話す。
スーパーの前に電器店に静代が寄ったと確認されているのに、転倒の前に腹部を押さえていた…。
それは、なぜか? そこに静代が隠している物があるのではないか、と大己は言う。
その言葉に心を動かされた功は、遂に、解剖をして欲しいと口にするのだった。


その後、解剖の準備が始まる。作業着に着替えた羽井を見た玲子は、意地になるのはやめなさいよ!
と言うが、羽井は自分のためではなく、遺族のために力になりたいからやらせてほしいと頭を下げる。
そんな中、大己と羽井は解剖に参加し、静代の遺体から何かを発見。
解剖を終えると、大己と佳奈子は佐川に呼ばれ、解剖の結果を功に伝えに行って欲しい、
それが、功自身の希望だと聞き、早速、功の自宅に向かった。
そして、佳奈子は静代の死因を、転倒による脾臓破裂に伴う出血性ショック死であると伝える。
それにうなずく功に、大己は、やはり隠していたことがあった、と切り出す。
死因のほかに解剖の結果分かったのは、静代が末期の胃癌であったと明かし、
癌の進行の様子から余命2ヶ月程だったことを告げる。
血液から抗がん剤の成分が検出されたことから、静代自身は病状を知っていたはずだ、と大己。
自らの命が2ヵ月足らずだと知り、苦手だった犬を飼い、扱いが簡易な洗濯機に買い替え、
肉豆腐を繰り返し作り、家にいると余計な心配をかけるからと辛い体をおしてダンス教室に通い、
痛みを堪えながら生活していたとすべて夫である功を思い行動していたのだろうと話す。
さらに、静代が購入した目覚まし時計を操作すると、そこから、録音された静代の声が
聞こえてくる。40年間、夫を起こし続けた静代は、自分がいなくなった後、
功がひとりで起床できるかが心配で、ボイスレコーダー付きの目覚まし時計を購入していた。
静代は、ボケていたわけでも物忘れが激しかったわけでもなかったのだ。
真相を知った功は、横たわる静代の布団に顔を伏せ、肩を震わせ涙に暮れる。
その姿を見た大己、佳奈子の目からも涙がこぼれ落ちるのだった。


その後、功は1人生活が始まり、功は静代の声が録音されている目覚まし時計を使い、
静代の声で目覚め、静代にお線香をあげる。
そこには、功が静代に最後に作った靴が飾ってあった。
そして、扱いが簡単な洗濯機で1人で洗濯、犬の世話をするが、犬がいても寂しさは残る功だった。
そんなある日、佳奈子の出来上がった靴を購入しに、大己と佳奈子は功の自宅に訪れる。
佳奈子は大己に靴の代金をおねだりするが、大己は手持ちのお金がなく拒む。
そんな大己は佳奈子と口論し、仕方なくローンで払おうとする。
そんな中、功は静代のことでお世話になったと2人に感謝するのだった。





第7話でしたが、夫婦の絆?って長ければ長いほど、重みがあるというか…、
かなりいい話で泣けました。
しかし、大己の勘のよさ、観察力・観察眼、発想で死の声を遺族にしっかり伝えることが
できて本当スゴイ!!!