木曜日のドラマ 『ありふれた奇跡』 『リセット』 『特命係長・只野仁』

ありふれた奇跡』第11話 最終回




見知らぬ若い女性から赤ん坊を預かった加奈(仲間由紀恵)と翔太(加瀬亮)。
5分で戻ると言ったその女性は、20分経っても戻ってこなかった。
加奈は、預かった赤ん坊を抱きながら荷物を持ってトイレに女性を探しに行くが、
女性の姿はなかった。
その上、赤ん坊まで泣き出してしまい、戸惑う加奈と翔太。
そんな2人は慣れないながらもミルクをあげたり、おしめを換えたりと、
買いに走った育児本を参考にしながら懸命に世話を焼く。
2時間経過…。
翔太は、預かった荷物から何か手がかりになるものがないかと探すが、
母子手帳どころか名前も何も見つからなかった。
警察に届けようと提案する翔太に加奈は、もう少しこうしていたいと本音を漏らす。
翔太はそんな加奈を理解しながらも、女性が戻らないと急き立てる。
だが、加奈は女性が戻ってくる気がすると女性の言い残していった言葉を信じていた。
そして、子供が産めない加奈にとって貴重な体験でもあり、赤ん坊を持つ親の喜びを
実感する加奈と翔太は、女性が戻るのを待ち続け…
さらに数時間が経過…。
だが、加奈と翔太の前に女性は現れなかった。


やがて、加奈に内緒で翔太が連絡した誠(陣内孝則)と警官の権藤(塩見三省)がやってきた。
一緒に警察に行こうと言われ、歩き出した加奈たちの前に母親の美代(末永遥)が姿を現した。
赤ん坊を見捨てようとしていた美代は、母親として育てる自信がないと打ち明け、
赤ん坊を受け取るのに戸惑う。子供を育てて苦労していた美代の気持ちを察する
加奈は、お母さんが1番と励まして赤ん坊を戻した。
赤ん坊を抱きながら反省している美代の様子にホッとする加奈。
その瞬間、加奈はお守で疲れがどっと出たせいかふらつく。


その後、焼肉屋さんに行って赤ん坊に悪戦苦闘する美代の相談に乗る誠と権藤。
再び2人きりになる加奈と翔太。
束の間だったが赤ん坊を持つ親を体験した加奈と翔太は、いいパパ、いいママだった
とお互いを褒めあい、赤ん坊の親を体験して幸せだった時間を終えた。
その後、加奈と翔太はホテルへ。
翔太がシャワーを浴びて出てくると、赤ん坊の一件で張っていた気が緩んだのか加奈は
眠っていた。
翔太はそんな加奈の唇にそっと手で触れると、その手を自分の唇にそっと当てた。


翌朝、ソファに寝ていた翔太は加奈に起こされて目を覚ます。
一緒に朝日を見たかった加奈は、翔太と朝日を見ながら赤ん坊の一件を話し始める。
子供を産めない自分に赤ん坊を預けるなんて誰かの仕業のように思えてしまう。
赤ん坊を目の前にして無力だったという加奈を翔太は自分たちは無力じゃなかった
ことを諭す。その言葉を受けて涙を流す加奈を翔太は優しく抱きしめた。
律子(キムラ緑子)の部屋に桂(戸田恵子)が突然訪ねてきた。
加奈が翔太との結婚を望んでいると知り、翔太の母親である律子に会いに来たという。
重夫(風間杜夫)と一緒に暮らしていることで家族付き合いを気にかけている素振りの桂に、
律子は翔太の母親だが、田崎家から飛び出してきた自分に翔太のことで口を出す気はないと
宣言し、中城家とは付き合わないから心配しないでと明るく言い放つ。
一方、朋也(岸部一徳)と重夫も喫茶店で会っていた。
加奈と翔太が結婚を望んでいることを知っている2人は、お互いの家族に女装癖がバレた時
を心配し、やめるべきかを話し合っていたが、2人で力を合わせて隠し通すことで話はまとまり、
隠し事がなければ人生が詰まらないと笑い合う2人。
田崎家では、事務所にいた四郎(井川比佐志)が職人の神戸(松重豊)に中断していた
工事の再開を告げた。
喜ぶ神戸は、家族を東京に呼び寄せるから母屋の一室を貸してもらえないかと相談を持ちかける。
子供がくれば四郎の気分も変わると言われた四郎は、翔太の知恵だと激怒。
子供ができないから自分に神戸の子供を宛がうのか?
翔太と重夫のいない田崎家の状況を考える四郎は、家が乗っ取られると提案を却下する。
その夜、神戸から話をきいた翔太が怒った様子で四郎に食って掛かった。
神戸は、四郎のことが好きだから一緒に暮らしたいんだ!もっと人を信用して心を開くべきだ!
と訴える翔太をあしらう四郎。


数日後、中城家と田崎家の家族がレストランで顔を合わせていた。
相変わらず結婚には反対している四郎の提案で、両家が集まることになったのだ。
立ち上がった四郎は全員を見渡すと、静かに話し始めた。
先日、翔太に言われた言葉が胸に響いてきたという四郎は、翔太の成長は加奈と知り合った
おかげだと加奈にお礼を言う。
そして、昔、苦労してきた自分の人生を語り、心配事は気持ちがあれば乗り越えられると
言い切った。
四郎の結婚を認める発言で加奈は涙ぐむ。
桂は、律子が遠くから幸せを祈るという言葉を翔太に告げる。
そして、静江(八千草薫)は、曾孫が欲しいと言っていたことは贅沢だった。
子供が産めない加奈に、悲しみにはきっといいことがついてくると語り、
2人におめでとうと告げた。
加奈と翔太は、両家の家族全員にお互いの気持ちを理解してもらい、結婚を祝福された。


後日、加奈と翔太は誠に経過を報告。
誠は美代を支えながら暮らしていることを告げる。
翔太に3人の写真を撮ってもらう誠は、俺1人ではないよとブイサイン。
一方、田崎家には神戸一家がやってきていた。
神戸の家族と楽しそうにする四郎は、満面の笑みを浮かべて集合写真。
朋也と重夫は相変わらず女装しながら街中を徘徊。
桂と静江は人形作りに励み、加奈と翔太もそれぞれの仕事をこなし、
いつもの日常を送るのだった。




最終回でしたがどうでしたか??
預かった赤ん坊は加奈と翔太たちから離れてしまったけど、
結局、加奈と翔太は、両家の家族にお互いの気持ちを理解してもらい、
祝福されたんですね。
最後の最後で2人の結婚を認めた四郎は、かなりいいことを話しました。
ジーンとキタ━━━━(°Д°)━━━━!!!!
しかし、加奈と翔太の出会いもちょっと変ってたけど、
過去に自殺をしようとしていた2人が不器用ながらも少しずつ惹かれあって
結婚に至った。複雑な展開がなんともいえない感じでした。
お互いに刺激されて成長していったんですね。
そして、2人の出会いから結婚まで携わっていた誠も、加奈たちと同様に
心に傷を負い、孤独で苦悩していた人生にピリオドを打ったんですね。
ヒュウマン・ラブストーリーのホームドラマのよさがじんわりと伝わるドラマでした。