水曜日のドラマ 『キイナ・不可能犯罪捜査官』

『キイナ・不可能犯罪捜査官』第7話


キイナ(菅野美穂)と桜(小池栄子)とタケル(平岡祐太)がランチでオムライスを食べて、
満足そうに捜査一課に戻って来ると、そこには津田夫妻がいた。
タケルが、娘の卒業式に行ったはずの津田(金田明夫)がいることに驚いていると、
津田は無事に夫婦共に出席できたことを報告する。
一方、自分の手作りマドレーヌをみんなに差し入れしていた津田の妻・真美子(宮崎美子)は、
挨拶と同時にキイナたちにもそのマドレーヌをお裾分けをしていた。
そんな中、真美子は津田の口についた食べかすを放っておけず恥ずかしそうに取ると、
キイナと桜は、そんな津田夫妻のラブラブ振りに大興奮。


その日の夜、キイナは津田夫妻のように幸せな家庭を築きたいとタケルや桜に話すと、
キイナには真一郎(塚地武雅)がいるでしょ。それに真一郎の娘・莉子(森迫永依)とも
この前の一件で距離が縮まった感じ…と桜に言われ、
キイナは真一郎のことを思い出し、思わずにやける。
そんな時、キイナに連絡が入り、真美子が殺人未遂現行犯で逮捕されたことを知る。


キイナの取調べに対し、真美子は投資会社を経営する田所祐二(三上市朗)に詐欺にあった
ことを話す。田所に多額の金を騙しとられ、憎くて憎くて、その憎しみで頭が破裂しそうになり、
殺さなきゃ自分がどうにかなってしまいそうだった…と供述する。
その後、キイナは、辛そうな津田に気遣いながら取り調べによる真美子の詳細を報告。
真美子と田所は知人の紹介で1年前に知り合っていた。
投資会社を経営する田所に誘われて投資を始め、沖縄のリゾート開発計画があると
今までよりも多額なの投資話を持ちかけられた。断っていた真美子だったが、開発予定地を
見せると沖縄に招待された真美子はその話を信じてしまい、
2000万ものお金を渡してしまった。だが、開発計画自体が架空の話で、すぐに田所とも
連絡がつかなくなったという。
真美子は詐欺にあい、犯行に及んだのだった。
その後、雅(沢村一樹)から指示され、服部(東根作寿英)と花田(高橋良輔)に真由美の
供述の裏をとりに…。キイナとタケルに田所の病院へと捜査に向かうが、
津田は、捜査から外された。


キイナとタケルが入院中の田所に聞き込みをすると、田所は、真美子には会った事も
顔を見たこともない、騙した覚えもない、被害者は自分の方だ…と証言したのだ。
キイナとタケルが捜査一課に戻ると、田所の証言から田所は真由美と面識がないことを
雅に報告する。
そんな矢先、服部たちからも真美子が詐欺にあったという形跡がない、銀行の取引記録からも
お金を振り込んだという事実がなかったと報告がくる。
その上、沖縄に視察旅行に出かけた時、現地で偶然、交通事故に遭遇したと
真由美は供述したが、その日、津田と娘は、真美子は間違いなく東京の自宅にいたと
2人が証言していたという。
田所と真美子の供述がまったく食い違い、困惑する捜査一課。
すると、キイナは、テレポーテーションで真由美が沖縄と東京を瞬間移動したとか
ドッペルガー現象かも!?と閃き、推測するが、キイナの話に呆れる服部たち。
その様子に雅も呆れてみんなに、解散!!と指示。


その後、事件に困惑するキイナとタケルは津田の自宅を訪れ、ケーキを差し入れする。
津田は、真美子が殺害しようとしたことが信じられず、別人なのでは?
憑依現象のように、誰かに操られたのでは?そういう理由がない限り殺害をしようと
するはずがないというのだった。
そして、真美子が沖縄に行っていないと言い切るには理由があると言う。
実は、真美子は飛行機恐怖症で飛行機に乗ることができない。
だから、今、心療内科のカウンセリングを受けている最中だった。
そのカウンセリングは銀婚式の記念に夫婦で海外旅行に行く為によるものだったのだ。


翌日、キイナたちは早速、その担当医の桐島貴子(荻野目慶子)の元を訪ねる。
キイナは真美子の飛行機恐怖症は完治できたのか問うと、
貴子は、治ったのかも知れません。恐怖心を克服できたかを判断するのは難しい。
真由美の場合、幼い頃に乗った飛行機で起こったトラウマで、そのトラウマさえ、
消せたら克服できたことになるというのだ。
そんな中、キイナは気になる物を発見する。
それは、患者さんの症状によって催眠療法を使い過去の記憶を辿って原因を突き止める
という催眠療法に使う道具であった。
一方、津田は、真美子の起こした件で責任を感じ、御手洗(草刈正雄)に辞表を提出。
真美子が人を殺害したことが信じられない津田は、真由美の無実を信じる自分が
刑事として失格だと思っての行動だった。


貴子の話を聞いたキイナは、知らないうちに飛行機恐怖症が治ることに疑問を抱き、
貴子を疑い始める。
そんな時、キイナたちは沢山の荷物を持っている津田と遭遇。
津田は、引っかかる事があるという。
事件の夜、家の電話がワンコールだけ、同じ間隔で3回鳴った気がするというのだった。
タケルはそれが何かの合図ではないかと思うと、それをヒントに思考するキイナは、
催眠術!!!と閃く。
キイナは、動機はわからないが田所を真由美に襲わせた犯人は桐島貴子だという。
貴子が真由美に催眠術をかけて田所を襲わせようとしたと推測。
すると、そこに来た真一郎はそれは無理だという。
そんな真一郎は催眠術は誰にでもできることではないということを説明しようと、
タケルに催眠術がかかるか試し、催眠術にかからないことを証明する。
そして、催眠をかけることによって、その人の意識をある程度コントロールできるが、
いくら催眠をかけても、元々してはいけないことをさせることはできないということ
が実験で証明されていると話し、キイナの推測を覆した。
キイナは、自分の閃きを否定され、ショックを受けるが、真一郎に感謝して
いつの間にか去っていった。


その日の夜、キイナとタケルと桜はバーで語る。
キイナたちは、真美子の記憶に疑問を抱き、記憶が確かなのに、
何にひとつその形跡がないことに困惑する。
そんな時、夕実(さくら)とマキ(薗田杏奈)がやってくる。
みんなで話しをする中で、記憶を頭の中で作り変えていたというヒントを得た
キイナは、記憶に何か隠されていると確信する。

その後、キイナは記憶に関する沢山の本を収集すると、持ち前の瞬間記憶能力
で本を速読する。
すると、キイナは何か情報を見つけた。
そんなキイナは、即効眠ってしまう。


その後、復活したキイナは捜査一課で調査の結果から犯人がわかったことを説明。
人の記憶は曖昧な記憶で、その中で嘘の記憶が存在する。
そして、実際自分が体験した記憶と、頭の中で想像しただけの記憶の区別がつかない。
例えば、退行催眠による全盛の記憶は頭の中で想像で作ったものである。
想像で作られた嘘の記憶は、一度信じてしまうと本物のふりをしてしまう。
よって、真美子の田所に関する記憶は第三者の手によって意図的にうえつけ
られた嘘の記憶だったという。
それは、過去の実験からも証明されていて、自分が体感したような嘘の記憶
をうえつけることに成功している。
つまり、他人に嘘の記憶をうえつけることができるのだ。
それが、催眠療法だという。
人は催眠に陥ると、暗示にかかりやすい状態になるため、自分では気がつかない
うちに真美子は催眠にかけられ、田所に騙され憎んでいるという嘘の記憶を
うえつけられたのだ。
その犯人は、その事件あった日の夜、電話をかけワンコールを3回して合図を送った。
それは、田所を襲うように仕向ける暗示を呼び起こすサインで、
田所の元に向かった真美子は嘘の記憶に支配され、ためらいなしに殺害に及んだ。
自分の恨みをはらす為、真美子に催眠をかけて田所を襲わせた人物が事件の犯人。
それは、桐島貴子だという。
そんな中、タケルたちに催眠をかけても、人の持っている倫理観に反することはさせる
ことができないため、催眠を使って人を殺害するように仕向けることはできないこと
になるといわれていまう。
だが、キイナはひとつだけその方法があるというのだった。


その後、貴子の心療内科に訪れたキイナは、真美子に催眠をかけ、
田所を殺害しようとした罪で貴子を逮捕しに来たことを告げる。
解けなかった真美子の記憶の謎が解けたのだという。
飛行機恐怖症なのに飛行機に乗って沖縄に行き、会ったこともない人に騙され殺したい
程の恨みを抱いたという辻褄の合わない真由美の記憶は、貴子の出来事だったというが、
貴子はとぼける。
すると、キイナは貴子を追い込む。
キイナは田所の架空の投資話に2000万円もの大金をつぎ込んでいると問いかけ、
真美子からの供述によるうえつけられた記憶を全部話し、そのことから、貴子は田所に
復讐しようとした。そんな時、飛行機恐怖症の治療する過程で、
真美子が催眠にかかりやすい体質と知り、真美子に催眠をかける時に自分の田所に
関する記憶をうえつけた…。
これは、明らかな殺人教唆です!!という。
しかし、それでも認めない貴子に、キイナは過去の催眠の事例で証明されている
事実を話し、田所を殺さなければ自分が殺されると暗示したことを問いただす。
すると、そうだとしたらどうなの?と豹変する貴子。
そんな貴子は、あなたに私を逮捕することはできない!!
だってあなたの体はそこから動かないもの…。
この心療内科の空間には催眠を導入しやすい仕掛けがしてあり、気づかれずに催眠を
かけられるようになっていた。
貴子はキイナに催眠をかけていたのだ。
すると、開き直った貴子は、被害者は私の方。人を騙してお金を取った田所が悪い、
絶対許せない…という。
そんな中、キイナは催眠にかかっているため、貴子に誘導されながらの行動。
更に、貴子はキイナを催眠にかける。
警視庁に帰ったら、桐島貴子は無実でしたと報告するのよ…、
でも、気おつけて、あなたは田所に命を狙われている、田所を殺さなければ、
あなた自身が殺されると暗示る。
キイナは、貴子に言われたと通りのことを言葉に出し、眠ってしまう。
そんな様子を見て安心する貴子。
すると、眠っていたはずのキイナが、こうやって真美子にも催眠をかけたんですよねぇ?
と問いかけ、貴子は驚く。
キイナは催眠にかかっているふりをしていただけで、催眠にはかかっていなかったのだ。
痛みに気をとられていると催眠にかかりにくくなることを知っていたキイナは、
最初から用心して指にケガをしていた。
そして、キイナは一緒に来ていたタケルを呼び、貴子を逮捕。
キイナは、そんな貴子に、あなたは被害者かもしれないけど、
真美子たちを傷つけていい権利はないはずというのだった。
キイナは、津田を想う真美子の気持ちと、その想いを信じる津田の気持ちを
信じたから貴子が犯人であると確信し、津田夫妻には、嘘の記憶よりも信じ合う
想いの方が強かったと感じ取ったのだ。
事件は無事終了。
真美子は無実が証明され、津田と真美子は抱き合い、涙する2人。
その様子を見て安心した御手洗は津田の辞表も破るのだった。


その後、田所は詐欺の容疑で逮捕され、真美子は不起訴処分となった。
そして津田は職場復帰することになり、捜査一課は、和気藹々。
津田は事件を解決してくれたキイナに感謝するのでした。



第7話でしたが、催眠にかかりやすい人とか、かかりにくい人とかってやっぱり
あるんですね!!
今回は、催眠によって嘘の記憶をうえつけられてしまい犯行に及んだわけですが、
キイナのお手柄で、事件を解決。
真美子の無実が証明できて本当に良かった!!
津田を想う真美子を信じた津田は、警視庁を辞める覚悟までして真美子の無実を
信じたんだもんカッコイイですねっ。
本当に津田夫妻は仲良し、いい夫婦。
愛だね愛!!!!